【スマホ対応】ダイナミックサービングとは
まず始めに、“ダイナミックなジャンプサーブ”ではありません。日本代表柳田将洋のジャンプサーブの動画を見たくてこのページに迷い込んだ方は全くの的外れです。あっさり本題に入ります。
Web制作・インターネット広告のあとらす二十一によると、国内主要企業のホームページのうち、今や7割以上がスマホ対応しているとのこと。(※2018年8月の発表)
スマホの高い普及率からすれば、さほど高い割合には感じられませんが、BtoB企業の場合、そもそもスマホ対応するメリットは少ないです。それらも含めて7割以上ですから、実はなかなかの状況なのかもしれません。
(ちなみに2016年4月の発表では65%だったので、順調に伸びていることがわかります。)
というワケで、今や企業ホームページのスマホ対応(いわゆるモバイルフレンドリー化)は、当然のように年々増え続け、国内でもPCとスマホの端末数が逆転した今、スマホ対応はマストなのです。
そんなスマホ対応ですが、その手法としては大きく3つあります。
スマホ対応(モバイルフレンドリー化)3つの方法
方法 | 特徴 | URL |
---|---|---|
“レスポンシブ” | 端末の画面幅にあわせて表示を変更する方法 | スマホとPCで同じ |
“ダイナミックサービング” | 端末にあわせてデータを配信する方法 | スマホとPCで同じ |
“セパレートURL” | PC向けページとスマホ向けページを分ける方法 | スマホとPCで違う |
上の3つのうち、現在ではGoogleも推奨する“レスポンシブ”が主流となっています。
ブラウザの幅を狭めると、スマホ向けとかタブレット向けの表示に切り替わるアレですね。
(“レスポンシブ”についてはこちらの記事で解説しています。)
肝心の“ダイナミックサービング”は次項で説明するとして、“セパレートURL”は、PCサイトとスマホサイトが別々にあるという単純なものです。ひと昔前のガラケー向けのサイトはこんな感じでしたね。
“ダイナミックサービング(動的配信)”の特徴
では“ダイナミックサービング”の特徴である、端末にあわせたデータ配信について詳しく見ていきましょう。
- PCでアクセスした場合
- PCにあわせたデータを配信。(広い画面レイアウト、マウス操作への対応、PCの高い処理能力・高速なネット回線に適した大きくて重い画像もしくは動画)
- スマホでアクセスした場合
- スマホにあわせたデータを配信。(スマホの小さい画面にあわせたレイアウト、スワイプやフリック操作への対応、小さくて軽い画像、位置情報との連動)
ダイナミックサービングでは、アクセスしてきた端末の種類にあわせて最適なデータとなるよう、Webサーバ側でPHPなどのプログラム言語を使って何らかの処理をした結果がウェブページとして配信されます。
まさに、“動的(ダイナミック)に配信(サービング)”しているのです。レスポンシブとの違いは配信の仕組みだけなので、見た目では区別がつきづらいです。このあたりに今一つ普及しない要因があるのかもしれませんね。
“ダイナミックサービング”と“レスポンシブ”の違い
ここまでをおさらいすると、「端末にあわせてデータ(コンテンツ)を配信する」方法がダイナミックサービング。一方、レスポンシブは、「どんな端末でも同じデータ(コンテンツ)を配信する」方法です。
ちなみにレスポンシブの場合、ブラウザの幅を狭めると表示が変わりますが、実は配信されたデータはスマホとPCで違いはありません。
このため、大きな画像や動画などPC向けのデータをスマホでも処理しなければならず、結果的に動作が重くなりやすいというデメリットがあります。
ただし、近年では以下のように環境が変化しました。
- PCとスマホの端末数が逆転した。
- 一般向け(BtoC)のホームページでは、スマホでの利用が大多数
- Googleがホームページを評価する際の主軸が、PCサイトからスマホサイトに変更(これをモバイルファーストインデックスといいます。)
上記のような理由から、PCサイトよりもスマホサイトに注力され、結果的にレスポンシブのデメリットは目立たなくなりました。
レスポンシブとの違いをまとめると、「どちらも見た目に違いはないけれど、ダイナミックサービングの方がひと手間多い」といったところでしょうか。
ちなみに弊社では、レスポンシブではなくダイナミックサービングを採用する場合が多いです。(このコーポレートサイトもダイナミックサービングで作られています。そのためレスポンシブで作られたホームページとは違い、ブラウザの幅を狭めても表示は何も変わりませんが、スマホでアクセスすると表示が変わります。)
ではなぜ、あえてダイナミックサービングを採用したのか?その理由は後ほど。
ダイナミックサービングのメリット
- 端末にあわせて配信内容を変更できるため、例えばスマホ専用に内容をまるまる変えたりと、レスポンシブよりもさらに手の込んだスマホ対応が可能。
- スマホでも、PC表示に切り替えることができる。
- スマホに対応したページとそうでないページを混在させやすい。(スマホ対応していないホームページを少しずつスマホ対応するのに便利)
- システムが調整してデータを配信するため、スマホを意識してページを更新する必要がない。
- スマホに最適化されたサイズの画像を配信できるので、読み込み時間を減らせる。スマホでの動作を軽くしやすい。
- 端末にあわせて表示をコントロールできるため、PCとスマホそれぞれで不具合が起こりにくい。
まぁ、メリットとはいっても、がんばればレスポンシブでもできることばかりなので、そんなに特筆すべきメリットでもないです。
ダイナミックサービングのデメリット
- PHPなどサーバ側のプログラムが必要。(レスポンシブに比べてつくりが複雑になる。)
- PC向けとスマホ向けに表示を切り替えられる自由度が高い分、作り込むのは大変。
- Googleが最も推奨する方法ではない。(Googleにとっては、PC向けとスマホ向けそれぞれのページを収集する必要がある。)
採用理由は“ダイナミックサービングならではの特徴”
レスポンシブに対し、ダイナミックサービングの優位性はそれほどありません。ではなぜ、弊社はあえてダイナミックサービングを採用したのか?それにはちゃんとした理由があります。
- コーポレートサイトのように、プロモーション上、緻密なスマホ対応やリッチなPC対応が要求される場合、それぞれの端末にあわせてコンテンツをより最適化できるダイナミックサービングの方が成果が出やすい。
- ホームページの更新にあまり慣れないお客さまが、スマホにも対応したページを作る場合、システム側で補助できるダイナミックサービングの方が便利。
とまあ、こんな理由からです。
さらに付け加えると、PCからの利用が多いBtoBの企業ホームページでは、PC向けによりリッチなコンテンツで訴求できるダイナミックサービングは有利だと考えています。
また、弊社ではコーポレートサイト運営で培ったノウハウをお客さまのホームページづくりにフィードバックしているため、お客さまがより簡単で効果的に更新できる方法を追求するのはとても重要なのです。
(例えば、ホームページ専門の部署を持つようなお客さまでない限り、レスポンシブサイトを適切に更新するのはかなり難しいです。)
そんなワケで、レスポンシブ全盛の中、あえてダイナミックサービングを採用する弊社にグッときた方は、弊社までご相談ください。