【事例】コト売り(コト発想)で売れない商品は売れる!
コト売り成功事例(モノ売りからコト売り発想へ)
かれこれ10年以上前の(コト売りの)話。
某企業のフィットネス機器が、あるTV通販で販売されました。
その商品は、乗馬の動きを再現したフィットネス機器。
「乗るだけで痩せる!」というわかりやすさと手軽さで
高額商品であるにもかかわらず、爆発的に売れました。
それまでは家電量販店の片隅においやられ、全く売れず、知名度もない状態…。
これがきっかけとなり、全国に広まりました。
お店で全く売れなかった商品が、
TV通販で爆発的に売れた成功事例として持てはやされ
通販業界は類似商品であふれかえりました。
TV通販といえば、「デモンストレーション」と「煽り(あおり)」。
商品力や信頼性を観てる側にアピールし続け、
明日までの期間限定価格でご提供!残りわずか!
なんて言われたら…
欲しいと思ってなかったものですら、
こんな風に気持ちが変化してしまう!
なんか良さそう!
↓
必要かも!!
↓
絶対欲しい!!!
これぞ通販あるある。
そんなことは他の媒体では、なかなか起こらない。
そこはTV通販の強みでもありますね。
でもそれだけでは、爆発的なヒットにはつながらないと思うのです。
なぜならこの商品は、
- かなり大きく場所も取る(部屋が広くないと置けない)
- 高額商品(10万円以上)
- 継続して使うかどうかわからない…
- 使わなくなっても、簡単に処分できない
- 確実に効果があるかわからない(使ってみないとわからない)
などと、勢いで買うにはちょっとリスクがありますよね。
ではどうしてそんなに売れたのでしょう。
皆さん本当にこの商品が欲しかったのでしょうか。
機器としての商品=「モノ」が欲しかったわけではなく、
この商品を体験した先にある、
「新しいステキな私」になれることを信じ、期待し、ワクワクを買う。
これがよく言われている「Storyで売る」=「コト売り」です。
「コト売り」は、顧客が体験したい「Story」を提供するということでもあります。
購入した商品(モノ)を特徴やスペックで購買意欲をかきたてるのではなく、
購入後に得られる体験や経験を売ることこそが「コト売り」です。
もし売れない商品を売らなければならなくなったら、
皆さん、どうしますか?
まずは、宣伝!
売れないなら、価格を下げよう!
そしてチラシを作って折込。
さらに追加で、チラシのエリア以外にDMをポスティング!
方法としては、間違っていないかもしれませんが、
安くしたからといって、必ずしも商品は売れません…よね?
「モノ」を売るのではなく「コト」を売る発想で
「Story」を考えてみると何か違うアプローチが見えてくるかもしれません。
フィットネス機器の成功事例は、
手段を変えて「コト売り」発想で爆発的にヒットしました。
商品やサービスを宣伝するのではなく、
それを体験すると、どんな幸せが待っているのか。
例えば、好きな人を喜ばせたい!と思ったら、どうしますか?
そんな風に考えてみてはどうでしょう。
視点が変わると、見える景色も変わります。
「モノ売り」と「コト売り」の明確な違いは、
期待する顧客体験(Story)が提供できているかどうか?
サイズや色、素材など物質的欲求や機能的欲求しか満たせない「モノ売り」に対して、
ワクワク感などの精神的な欲求や知的欲求を満たす体験など
「コト売り」にはStoryから生まれる情緒的価値も含まれているということです。
例えば、1,000円の商品でも、
5,000円や10,000円の価値を生むケースがあるのは
情緒的価値感が人それぞれ違うからです。
言いかえると、
「モノ売り」は、競合ひしめく狭い範囲での価格競争(レッドオーシャン)であり、
「コト売り」は、価値を共有した者同士が広い範囲で
価値交換する場(ブルーオーシャン)と言えるかもしれません。
デジタル化が急速に進むコロナ禍の時代。
製造業だけでなく小売業や卸売業も
メーカー(製造業)の販売戦略に頼ることなくStoryを描き
今まで以上にワクワクできる顧客体験(コト売り)を届けることが大切になってきています。
私たちは「モノ売り」を「コト売り」に変える「Story」づくりを
心を動かす「コト売り」デザイン